春の鳥海4
(F6号)
(2000.05.06〜2001.05.17)

 

2000年5月6日(土) 天気:快晴
ゴールデンウィークは、例年この地域(山形県庄内地方)では『田植え』の時期と重なる。晴れた(風のない)日には水田に張られた水に鳥海山が映り、私にはとても好きな風景の一つである。
この日は天気も良く、この日も早速、裏の『おばあちゃんの畑』に出て、絵を描いた。

絵を描き始めてしばらくすると、春の畑づくりに向け、おばあちゃん(私の母親)と女房が草取りを始めた。しかし、ふと気がつくと……。“わーっ!待ってくれぇ〜!!!”と私は叫びかろうじて、いくらかの『菜の花』を残してもらうことができた。『菜の花』は、この絵の中では、とても重要な『ポイント』なのだから……。

しかし“山”を残し、つつがなく一日目は終了したが、次の日は曇り。残念ながら未完となってしまった。ところがその後、昔の同僚が結婚していたことが判明し『手直しをしてお祝いにあげる』と安請け合いをしてしまい、足かけ2年がかりの絵となってしまった。

11:40 下描き(1色目)
11:50 下描き(2色目)

「場所を選んで、構図を決める。」… 初めての場所だと、ここまでがかなり時間を要する。しかしこの場所は、家の裏の‘おばあちゃんの畑’であるので、思い立ったらいつでも描き始めることができる。この日は、11時過ぎに描き始め、デッサンをとり余分な木炭を落とした後に、フィキサチィーフをかける。これが乾く間に、パレットに絵の具を並べる。通常30色前後を使っているが、(たいがい)すべての色を出すことにしている。

‘おつゆ描き’の一色目は『クリムソンレーキ』。次は『ウルトラマリン』。これは、‘暗い部分’‘調子の強い部分’に置いていくが、デッサンの再確認の意味もある。

なぜこの色か、というと、(水彩を描いていた)高校時代からの30年来の‘習慣’なのであるが、赤と青(そして混じり合った‘紫’)とである程度全体の明暗や‘調子’をつかむことができるので、色づけの段階で描きやすいことが第一の理由である。

12:20 色づけ(1)
14:30 色づけ(2)
色づけは、明るい色から入ることが多い。全体の色の配置に‘あたり’をつけ、水面と空と緑。草取りもすすみ、結局‘残してもらった’菜の花がいくらかだけ、になってしまった。午前の部、約2時間。色づけ(1)で昼食タイム。

午後1時30分頃、再開。 土の色から彩色を始める。この絵の‘主役’は山と水田。まだ、水の入っていない水田も「田起こし」が終わって、きれいにならされている。



‘中景’の村にも手を入れて、 描き始めて3時間。おおよそ、山と空を残して『完成』となってきた。午後3時30分、第一日目終了。

しかし、次の日は山が隠れてしまい、結局このまま年を越すこととなってしまった。
15:30 1日目終了

2001年4月21日(土) 天気:快晴
あまりにいい天気なので、絵の手直しをしようと思い立つ。今年の冬は、記録的な大雪。しかし、不思議なことに山の雪の融け方が早く、すでに5月の様相になっている。

今日は、ねこの「チー」だけが、様子を見に来てくれた。でも、この‘おばあちゃんの畑’。描き慣れているせいか、一直線に‘完成’に進むことができるみたい。一応、2日目が終了したものの、『山』がすこし強いみたい。もう1日、完成までは必要かも知れない。
4月21日 2日目終了

2001年5月17日(木) 天気:快晴
今年のゴールデンウィークは、鳥海山がくっきりと見えないまま終わってしまった。しかし、この日は平日なのだが、実にいい天気。たまらず、午後から‘振替休’をいただいて帰ってきた。

5月17日 3日目終了(完成!


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