鱈は、非常に生命力が強くまた非常な大食漢であるといわれる
オカにあがったこの魚を見れば一目瞭然
ふてぶてしい程の面構えと堂々とふくらんだ腹ギョロリとした目と大きな口と人間界にもいそうな容貌はむしろコミカルでさえある
「たらふく食べた」という言葉も、実は鱈の腹のようになってしまうほど大量に食した、という意味らしい
鱈の字に付いた「雪」は雪のように美しいということではもちろんなく雪の降る寒い季節に捕られ この頃がまた一番美味しいというところからきた
街に、しんしんと降る雪があり 日が暮れて、点々とあかりがともる
そんな時刻になれば、やはり思い起こすのは鱈、なのだ
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