夜の街角               
ゲコゲコ蛙が             (押せば湯の出る
酸っぱい糞をたれ            ポットじゃあるまいに)
凭れかかるナトリウム灯        
白いレモン              湯気たてて
白い肌                髪の毛ぴったりはりついた
  真赤に              女の口から
   焼けた夕空だった        ほのぼの
  エナメル塗料           子守歌
を坩堝に融かし            
――あなたの             いつもの場所
唇に塗ってあげよう 少し       いつも
 青                 ………
入れて                 入歯をはずすように
                     刻から抜け出し
ポケット                   薄い老姿が
セルリアンブルーのハンカチ             壁に
期待の哀しみの匂う               嵌り込む
陽の焦げついた
染み

(あなた)
内に薔薇色を持つ
子宮の形態(かたち)
赤紫に
肛門のように傷ついた
無花果の


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