白樺の山の麓               …………
に家                   僕の胸に
ポツリとまるい              残されたものはお前の
ふたりの                 白い染み
家                    愛の涎
  お前の体臭が             ……
  ふっと甦り              だけ
  夢を見た 頃

曲がり曲がり
細い道
ふたりで歩く散歩道

  手紙は
  何も伝えず

小川の軽い旋律
しだれかかる 草の囁き
丘 丘
丘に並ぶ釣鐘乳房
青紫の竜胆(りんどう)の
チロチロ鳴って 波の風
首うなだれて
愛の種子

  ……電話のお前は
  ひとり舞台で名演技

お前の香りが
振舞の風にひとかすみ
甘くひろがる 夕焼けの

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