ルートン市(Luton:イギリス)
【概 要】 ルートン市は、イギリス南東部、ベッドフォード州南部の都市である。ロンドンの中心から北北西 49kmでリー(Lea)川上流沿岸に位置している。人口は17万5千人で、市制開始から150年を数えて いる。古くから「麦わら帽子」を始めとする製造業を中心に発展してきた都市で、現在でも自動車 飛行機部品その他、種々の機械産業を中心に成立っている。 このことからルートン市では、特に企業誘致による地域振興を重要な課題として押し進めると共に、 文化振興や住宅政策にも力を入れ、コミュニティーを中心とした「職・住・遊」隣接型のまちづくりを進めている。 □ |
【要 旨】 英国は面積で日本の3分の2、人口で2分の1(5千7百 万人)である。また、GNPでいえば総額で日本の3割程 度、国民一人当たり6割程度と、EU諸国では中位に位 置しているが、産業は停滞しているとの印象は強い。 30才位の年間平均袷与で1万4千ボンド(約220万円)であるが3割以上の税金が差し引かれるため、約150万円 程度の収入となる。近年、英国内での貧富の差が次第 に大きくなってきており、社会的な問題ともなっている。 ルートン市でも、市の南東地区の製造拠点を中心に 「失業」に苦しんできており、人口に占める外国人の割 合(約20%)も大きく、雇用の確保、犯罪の防止など課 題は少なくない。 この現状を打破するため、事業計画を「未来への提案」 としてまとめ、市民の公聴会での承認を受け、実に様々 な状況に合わせ、隣接する他の自治体とも協力し、事業 を展開してきている。その大きな柱として、次の3つが掲 げられている。 @ 環境整備及び自然保護 A 産業の振興・企業誘致 B 住環境の整備 |
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しかしこれらは独立したものでなく、事業を進める上でそれぞれが融合した形で行われている。例
えば、企業に対し有利な立地条件とビジネスチャンスを提供すると同時に、企業所有地に50%以 上の緑地を残す等の規制がかけられる他、それに違反した場合には、周辺の道路の(企業負担
での)整備や再開発の実施等の義務が賦課される。また、強制する場合ではなくとも、交差点の 整備等は企業名を冠する事で企業負担で実施できるという“柔軟さ”も持っているなど、自治体と
民間との線引を日本のように明確に設定しないという考え方があるようであった。これは別な面か ら見れば、企業と自治体が協力体制を取るということとも言える。 例えば、新たに事業を行う外国企業に対し、専門的な相談、技術援助を目的とした技術開発セン ター(Luton business Center)を設置している他、ルートン大学に企業のトレーニング機関としての 役割を持たせるなど、技術者の育成や養成に対する体制の整備を行っている。 |
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このような考えの基にケイパビリティー・グリーン・ビジネスパークがある。広大なおよそ80エ−カー (約32ha)の敷地に多くの外国企業によるオフィスや研究所が設置され、高度に開発されたビジネ スパークとしてイギリスでも知られている。小高い丘の上に、公園のようなプロムナードをはみ、 キツネやクジャクなども棲んでいたという豊富な緑の中の区画には、日本企業のアンリツ鰍はじ め、米国、フランス等の企業が進出していた.敷地中央部には総合管理センターを配置し、企業 への対応や技術相談に応じ、今後更に受入れを増やし、やがては商店街をも形成し、ビジネスの 一大拠点へと発展させたいとの意気込みであった。 |
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【感想及び所感】 |
“庶民”の一般的な住宅。二軒長屋で一軒5万ポンド(約790万円)と“部長クラス”の住宅。20万ポンド(約3,100万円) |
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