最後の日と、夜




2000年7月6日(木曜日)、晴れ。この日は、Marionとコロンバスに(見物?と)買い物に行った。MarilynとMarianneが付き合ってくれた。Marianneは近くに住んでいるのだが、何かというとお世話になった。ご自宅にも伺ったのだが、旦那様はカナダに‘狩猟’に行ってて、留守との話だった。しかし、壁には(狩猟の成果?の)「大きな鹿」が(何匹も)首をもたげていた。(笑)
マリオン市内。
中学校。Marilynの職場、である。
で、Marionを‘一周’した後、オハイオ・ビレッジ:Ohio villageに行った。ここは、1800年代の‘村’の様子が再現されており、鍛冶屋や皮職人、お菓子屋、そして手芸品店など、色々な‘家’で「買い物」もできるのであった。その他にも、教会、学校、郵便局、医者に、‘バー’…と、何でも?揃っていた。買い物は、あまり(荷物になる)大きめのものは敬遠?していたのだが、(帰ってから)Steveに『カバンは買ってきたか?あそこのはいいものだ。』といわれ、「書類入れ」にちょうどいい革製のカバンがあって、迷った末(結局)買わないでしまったのが、(急に)悔やまれた。(^_^;)
オハイオ・ビレッジの民家。のどか…。
‘村’の広場。
1800年代の一般的な?家。と奥様?
教会。MarianneとTazukoとMarilyn。
ドア飾り。
さすらいの?‘ガンマン’…。
その他にも、あちこち連れて行ってもらったのだが、土産品店の商品は特に(すべて?)、「Made in china」。(昔)ヨーロッパに行ったときも、大体が中国製で、恐るべし‘中国パワー’である。でも、考えようによっては、OEM(相手先ブランド販売)みたいなものだな、と「素敵だな」と思うものはこだわらず?買うことにした。(←というか、‘買う物’がなくなるから…。)
コロンバス市内。

でも、一番苦労したのが、娘に頼まれた(メーカー指定の)「化粧品」。どの店に行ってもなく、店員も(全く)知らない「メーカー」で、まいった。アメリカは、広いから…日本の雑誌で紹介されていたって、知らなくとも当然なのかもしれない。結局、似たような物を買って帰ったのだが、娘はとっても喜んでくれた。

Marilynにもらった‘天使’。
オハイオの‘アーティスト’の店にも何店か寄った。ガラス、針金、木と、色々な材料の素敵な「作品」がいっぱいだった。でも、‘アーティスト’だから…、値段は高めであった。その一つの店で、針金に石(ガラス?)をはめ込んだ、かわいい「天使」があったのだが、(いつの間にか)Marilynが買っていて、(帰国する朝)『プレゼント』してくれてうれしかった。結局…KosyuとTazukoは、小物?を大量に買って、帰ってきた。(^_^;)

実は、アメリカ滞在中(十分に)間に合うように、空港の免税店でタバコを1カートン買ってきたのだが、(どこに行っても)アメリカ人はタバコを吸わない。だから灰皿もない。ああ、これじゃぁ…一週間禁煙だ、と覚悟?を決めていた。しかし、2日目の夕方、『Kosyu、ちょっと来い。』とスティーブに呼ばれていくと、『葉巻を吸うか?』と聞かれた。(私は大喜びで)『I like this one!!!』と、エクスクラメーション(感嘆符)が三つも四つもついた返事をした。それからというもの、夕食前のひととき、ベランダというか広いデッキで、二人で葉巻を吸うのが‘日課’となった。Abbyのボーイフレンドの(医学生の)Artが、(このようすを)あきれたような顔?で見ていたのが、ハハ、印象的だったですね。

Steve。
Glenfiddichの18年、と葉巻…。
そして最後の晩、(スティーブは)ごそごそと棚を探して、取り出したのがスコッチ。グレンフィディッチ:Glenfiddichの18年。大きめのコップに氷を入れてなみなみと注ぐ。『Kosyu、これは強いから、ゆっくり飲め。』といわれながら、ウイスキーを飲み、葉巻を吸い、いろいろな話をした。

私は、『人の数よりも、鳥の数の多い方がいい。ここは素敵だ。』などといい、スティーブは、『私は、マリリンと結婚してよかったと思っている。Kosyuは、Tazukoと結婚してよかったと思うか?』といきなり、核心?に触れてきた。(これは、躊躇してはいけない?な、と)『Of course! 私はTazukoと結婚して、とってもよかったと思う。』…と、日本では絶対?口にしないセリフを、はいた。

スティーブはいう。『AbbyとLauraは、そのうち結婚してこの家を出て行くだろう。しかし私には、彼女たちと別れることは、とても困難(too difficult)だ。』。で私。『私には、3人の子供がいるが、長男はじめ、同じように皆、家を出て行くだろう。Steveと同じだ。』。スティーブ。『でもKosyuには息子がいるじゃないか。私は娘二人なので、(結婚したら)‘Simpson’という名前が(私たちを最後に)なくなってしまう。これは、とても寂しい。』。

この話は、(Kosyuにとって)すこし意外だった。アメリカ人は、結婚したら家を出て独立?するのが普通で、家族制度(家系?)そのものの考え方も割切っているというか、希薄(ドライ)なのではないかと、(勝手に)考えていたからである。
AbbyとSteve。
庭の花、とてもきれいだった。
日本風に、記念写真。
Tazukoの「折り紙教室」。
最後の?晩餐。
また、(別の晩には)こんな話もした。Steveは、『私は今、Abbyのために‘宝石箱’を作っている。扉がついて、引き出しがある。いずれ、Lauraにも作ってやるつもりだ。そうだ、見せてやろう。』といって、地下にある作業部屋に案内してくれた。それは、スティーブの趣味の「木工の部屋」だった。主に冬に、作っているらしい。それはすばらしい出来で、がっちりとしたムクの木材を使っていた。色々な工具も整然と壁に並べられていた。

スティーブは、『そうだ、Tazukoにも見
せてやろう。』といい、『トゥヅゥ〜コォ !』と大きな声でTazukoを呼んだ。顔 を出したTazukoも、感心しきり。もう
吹き抜けのステンドグラス。
‘プロの技’なのである。そこへ娘の Abbyが(私たちを)探しにきて『ダァッ ド、入ってもいい?』と聞く。スティーブは、『Nooo! 入っちゃだめだ。』と追い返す。鍵がかかっているわけではないのだが、厳然と互いのプライバシーを守っているところにも感心した。
一週間、Abbyの部屋を使わせてもらった。

実はこの時、Tazukoも(Marilynの)‘秘密の場所’に案内されていた、と後で聞いた。それは裏庭を見渡せるる、二階のベランダ。庭いっぱい!に「蛍」が飛び交い、幻想的な光景だった、らしい。…ここ、Marionは、いいところだった。そして何よりも、素敵な人たちが住んでいる…。

この日は、特別な夜だった。そう、日本に帰る最後の…夜。Tazukoは日本から「着物」を持ってきており、以前(日本から)Abbyが持ち帰ったもの(←別のホストからのプレゼント)もあわせて、(女性の)みんなに着てもらった。「折紙」なども、教えたりして、(惜しみながらも)夜はふけていった。

2000.07.06(Thu)

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